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ビフォア・サンセット
a0035483_23382961.jpgBEFORE SUNSET
(2004年アメリカ)
2005/3/6@恵比寿ガーシネ


あまりに好きすぎる映画は、文章力がこの気持ちに追いつかなくて、何も書けない。語れないなら、語るな。と自分に言っています。でも書いちゃった。2ヶ月半以上も寝かせた挙句、DVD発売前になんとか。


あらすじは、どこかほかのところでお願いします。

しつこいですが、これ今んとこ今年のBEST3に入ります。
でも、なんでこの映画がこんなに好きなのかな。と考えてみた。



それは、恋愛における自分と相手との距離感が、
生々しくリアルに感じられるからだと思った。

ひさしぶりに会ったときの、ぎこちないけど居心地が悪いわけじゃない距離感。
今さら照れんのもおかしんだけど、なんかちょっと照れて緊張しちゃったりとかして、どきどきする。
テンション上がって口数増えて、バカなこと言っちゃって後悔する。
でも一番思うのは、今一緒にいれることがすごく嬉しいっていうこと。
もっと一緒にいたいのに時間だけどんどん過ぎちゃって、
焦るし悲しいんだけど、そんなこと考えないようにすればするほど
喋りだけどんどん増える。
しかも本当に話したいことはこんなことじゃないのに、
関係ない話ばっかり盛り上げていっちゃう自分にイラつく。
でも、こんな話でこれだけ盛り上がれんのって、
やっぱりこの人とだからなんだよなあ、って再確認。

恋愛初期の高揚感と
過去にちょっとなんかあった二人の再会っていう状況が作る、イマサラ感。

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自分が今まで何度もいっつも、そして今もいまだに繰り返してるコレが、目の前で繰り広げられてる。だから「映画観てる」っていう感覚は全然なかった。

自分がよく知ってるものをわざわざ客観的に見ようとして結局主観で見ちゃってる感じ。
(…意味通じてますか、これ?)


二人の演技も間に流れる空気も自然すぎて、
全然つくりものじゃないのはもちろんそうなんだけど、
でも人の恋愛見てる感じでもなかった。
もはや客観ではなくて主観。
観てたんじゃなくて、感じてた。

この二人の関係って、過去であり、現在であり、未来。
終わった恋、ってわけだけじゃないし
今恋愛中ってわけでもないし
未来も当たり前に不確定。
どれでもないけどどの要素も全部持ってる。

a0035483_23405553.jpgいやどんな恋愛関係だって過去・現在・未来っていう3つの要素は持っているんだけど、ふつうはその中のどっかが、どれかが、確固たる存在だったりするから恋愛関係が成り立っているわけで。

この短い85分の、フィクションの、他人の恋愛を描いた映画には、自分が今まで生きた中で人を好きんなったり恋愛したりして感じてきたことが、あまりにも詰まりすぎている。

だからフィクションとか他人事に捉えることができなくて、入りすぎてしまう。
「再会」とか「パリ」とか「今日の飛行機」とかそういうディテールは抜きにして、
この映画の核になってる感情の揺れみたいなものにすっかり飲まれてしまった。


それにしても、ジェシーの純粋で率直なやさしさゆえの言動というのは
時にイラつきますね。セリーヌが車の中でキレたのも必然な流れ。

わたしは女なのでどうしてもセリーヌよりで観てしまいます。
あの嘘つきっぷりとか、かなり身に覚えがありますもの。
自分が傷つかないために常に逃げ道を用意しているのとかも。

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「わたしにとって愛と現実は矛盾する」っていう台詞、
ああ、すげーわかる。とか思ってしまった。
愛する人は必要だし、愛されたい。けど
「毎日一緒にいたら息がつまる」。
わかるわかる。すげーわかるよ。
でも本当にそうかな?



望んでるくせに息がつまると感じるのは、
自分が愛したいとか愛されたいとか思ってる対象が
「この人ではない」とどこかで思ってるからだ。
だから「あの夜が全てを奪ってしまった」ていうのは本音だ。
それに対してジェシーが言う
「きみが来なかったあの日、ベッドに愛する心を置いてきてしまった」。
わたし的にはここで語られたジェシーの夢の話がかなりピンポイントで泣けました。


この二人、もしウィーンで再会してたらどうなったかなぁ。
わたしはあのとき再会しなかったから、
よりこんなふうに強烈なんだろうなぁと思った。

再会していても、こんなに強烈だったかな?
もちろん特別な関係に変わりはないだろう。
でもここまで特別に、なりえたか?

a0035483_23391252.jpg後悔する気持ちと、現状に不満足を覚える気持ちが両方あったら、どうしたって過去は美化される。されないはずがない。でも美化されていようとされていまいと、一度失ったために切望していたものが、もう一度目の前に、手の届く範囲に存在していたらそれはどんなに貴重なものなのか。

そう考えると、二人が再会してからのこの85分(もしくはそれ以上?)って想像よりももっともっと重たい。


そんなこんなで、セリーヌのアパートメントでゆるゆるしてる二人の様子とか、
観てるだけで「ああもう!!!」って感じで。

ていうか「I know」って!!!!!!!!

最高の幕引きでした。
続編が作られることを知って以来、
下手な続編なら作んないでくれたほうがよっぽどまし、とか思ってたけど
これは最高の続編です。

最後まで読んでくれた方ありがとうございます!
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by manamizw | 2005-05-28 00:19 | cinefil